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初デート 5

Author: 煉彩
last update publish date: 2026-01-18 18:43:56

 二人でベンチに座り、ジュースを飲みながら海を見る。

「楽しかったですか?」

「はい、楽しかったです。また来たいです」

「初めてのデートでしたけど、どこか不満はありますか?」

 不満なんてとんでもない。

「そんなことっ!」

 あっ、一つだけお願いしたいことがあった。

「黒崎さん。これから私のこと、呼び捨てで呼んでほしいです。美桜って」

 彼は優しい顔をしながら

「わかりました」

 返事をしてくれた。

「じゃあ、俺のことも名前で呼んでください」

「えっ?」

「俺も名前で呼んでほしいです」

 黒崎さんを名前で呼ぶ。

 自分で言い出したことなのに、急に恥ずかしくなっちゃった。

「名前で呼んで?美桜」

「……!」

 名前を言われ、ドキッとする。名前、呼び捨てで呼ばれただけなのに、こんなにドキドキするんだ。好きな人だから。高校の時とか大学でもたまに下の名前で呼んでくる男子とかいたけれど、なんとも感じなかったのに。

 黒崎さんを見ると、真剣な顔をしている。

「れ……ん……さん」

 その一言を聞き、彼はクスっと笑ってくれた。

「可愛い。照れてますか?でも<さん>はつけなくてもいいんですよ?」

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